ファクトリー
第1グループ取組紹介
ポストLEDフォトニクス研究所(pLED)では、深紫外光や赤外光、テラヘルツ波等、それぞれの波長域の特質を活かした様々なテーマに取り組んでおり、これらテーマの進捗管理や選択と集中を行うための仕組みとして、ステージゲート法を用いたテーマアセスメントを導入しています。
pLEDのステージゲート法では、研究のスタートから事業化に至るまでのプロセスを4つのステージ(ステージ0~ステージ3)に区切り、各ステージを通過するための目標値をあらかじめ設定した上で、技術性と事業性の2軸から対象テーマの科学的かつ客観的なアセスメントを行うことで、当該テーマのポートフォリオ上のポジションを明確化しています。ステージが上がるにつれて、技術性と事業性がより高いレベルで求められるようになっており、ステージ3に至ったテーマから優先して、社会実装に向けたビジネスモデルの検討を進めてきました。
ファクトリー第1グループでは、主にステージ2以前の中長期的な事業化テーマを担当しています。pLEDで取り扱う次世代光技術は、社会実装された例が非常に少ないために、より早期の研究段階から、新規事業化を見据えたPOCサイクルを回し、事業化のフレームワークに取り組むことが重要です。事業化への目利き人材が、研究者とともに先行要素技術開発の方向性を検討することにより、事業化への不確実性を抑制し、研究から社会実装までのシームレスな伴奏支援を実現します。
また、研究段階等の、できるだけ早い段階から企業との連携を模索することで、事業化フレームワークと要素技術開発を視野に入れた研究開発に取り組み、研究者や学生等の事業化・起業家マインドの醸成を図ります。
これらにより、研究を事業へ結びつける事業化ロールモデル創出を目指しています。
取り扱いテーマの一例
微細構造光増幅技術(プラズモニクス、メタマテリアル)による、高感度赤外センサーの開発。(免疫検査等への応用)
疾病由来の生体分子(バイオマーカー)を従来よりも高感度に検出することによって、疾患の超早期発見が可能となり、健康寿命の延伸に繋がることが期待されています。我々は、ナノメートルスケールの微細構造を用いた超高感度光バイオセンサーを実現することによって、治療医療から予防医療への転換を促す研究を推進しています。
微小光共振器によるオール光型テラヘルツ通信技術の開発(超高速通信の省電力化)
次世代移動通信(6G)は、近未来の社会インフラとして期待されていますが、無線キャリア周波数の超高周波化に伴い、エレクトロニクスの技術限界に直面することが危惧されています。我々は、マイクロ光コムを中心とした最先端光技術を駆使することにより、超高周波化に対応すると共に、光通信との高い親和性を実現することにより、移動(無線)通信における電気から光へのゲームチェンジを促す研究を推進しています。