機構執行責任者挨拶MESSAGE
次世代光インキュベーション機構は、平成30年度地方大学・地域産業創生交付金事業(以下、「交付金事業」)の採択自治体を対象とした、国費支援終了後の特例的追加投資「展開枠」(以下、「展開枠」)の交付対象事業として徳島大学が参画する、徳島県の「次世代”光”創出・応用による産業振興・若者雇用創出計画<展開枠>」が採択されたことを契機に設置されました。
交付金事業において本学では、強みである光科学分野を更に強化し、総合医科学分野等への応用・展開を進める組織改革を推進し、目に見えない次世代光(深紫外、テラヘルツ、赤外)を中核とした光源開発と医光融合等を始めとした応用開拓で、世界トップレベルの研究者を有する教育研究拠点「ポストLEDフォトニクス研究所」(以下、「pLED」)を学内研究特区として構築しました。併せて、医学部と理工学部の学部連携により推進してきた医光融合人材の育成カリキュラムから発展した新プログラム「医光/医工融合プログラム」が「魅力ある地方大学の実現に資する地方国立大学の特例的な定員増」に採択されるなど、大学改革を着実に進めてきました。
展開枠では、「オール光型テラヘルツ通信」と「高感度赤外センサー」 を研究重点2分野と位置付け、世界レベルの成果創出と目指すとともに、pLEDから生み出される研究成果を事業化する仕組みを構築することが大きなミッションとなっており、次世代光インキュベーション機構は、これを実現するために設置された、展開枠の要です。
次世代光技術を社会実装へ繋げるためには、研究段階から、中長期的な視点で、新規事業化のフレームワークを研究者とともに検討していくことが重要です。これに加えて、これまでの交付金事業の中で明らかになった、「pLED創出技術と県内外企業現有技術とのギャップ(技術ギャップ)」及び「研究と社会実装の間のギャップ(事業化ギャップ)」を解消するため、県内外の企業人材とともに、各種開発技術の事業化判断を可能とするプロトタイプ作成に取組むとともに、それを通じた新規技術習得・技術力向上に向けた人材育成を行うことで、研究から事業化へのスムーズな展開を図ります。
さらに、当該機構を学生指導の場としても活用することで、学生が、学外の多様な人材と一緒に研究を行い、技術を社会実装に繋げるプロセスを実体験する中で、学生と企業とのマッチング効果も発揮することを期待しています。
次世代光インキュベーション機構は、上記のような研究成果の社会実装加速に取り組むため、本学の他、徳島県、徳島県立工業技術センター、とくしま産業振興機構、阿南工業高等専門学校、阿波銀行等との協働の下運営されます。徳島がこれからの発展を目指す、次世代光産業を技術的・人的に支える中核機関として機能し、その技術革新と製品開発の中枢として地域産業を支える、独自の地方創生モデルとなることを目指します。
次世代光インキュベーション機構
機構執行責任者
森本 恭史
次世代光インキュベーション機構ABOUT
次世代光インキュベーション機構は、徳島県が令和5年度に、内閣府の「地方大学・地域産業創生交付金事業(展開枠)」に採択されたことを契機に、令和5年7月に設置されました。
当機構は、主に本学のポストLEDフォトニクス研究所の研究テーマを社会実装へ繋げるための、新規事業化のフレームワークを研究者とともに実施することで、研究から事業へのシームレスな支援スキームを構築します。さらに、創出した次世代光技術をもとに、企業とともに製品プロトタイプの作成と事業目論見の検討と、これらを通した人材育成に取り組みます。これは、特に研究開発部門を持たない地域の中小企業や、スタートアップ設立を目指す技術者や学生等に対して、新規技術分野進出のための、ローリスクで負担が少ない検証の場の提供に繋がると期待しています。
当機構は、徳島県内に「ひと」と「しごと」の持続的な好循環を生み出し、地方創生に貢献することを目指します。
概要図OUTLINE
部門紹介DEPARTMENT
ファクトリー
第1グループ
中長期的な事業化テーマの社会実装を目指し、研究段階等の、できるだけ早い段階から事業化フレームワークと要素技術開発を視野に入れた研究開発に取り組むとともに、これらによる、研究を事業へ結びつける事業化ロールモデル創出を目指しています。
ファクトリー
第2グループ
比較的事業化に近いテーマの社会実装に貢献するため、すでに社会実装例が多い技術を用い、特に県内企業と連携した事業化を目指しています。
ファクトリー
第3グループ
比較的事業化に近いテーマのうち、特にスタートアップ設立による社会実装を目指すテーマを支援しています。地域企業との連携も並行して模索しつつ、スタートアップによる研究成果のスピーディーな社会実装を目指しています。
人材育成
グループ
主に各グループの研究テーマ参画者を対象としたOJT型技術指導や、阿南工業高等専門学校から卒業研究指導の受入れに取り組んでおり、多様な人材が一緒に研究開発を行い、技術を社会実装に繋げるためのプロセス(事業化を見据えた研究開発や研究等を取り巻く社会の制度など)を実体験とともに学習する機会の提供を目指しています。