機構執行責任者挨拶MESSAGE
大学と産業界、そして地域が共創する、未来を拓くものづくり
徳島大学 大学産業院「ものづくり未来共創機構」は、大学における研究成果を実用化するための新たな拠点として、令和5年7月に設立されました。本機構では、大学発の独創的なアイデアや技術に、「ものづくり」を通じて実証研究をすすめ、様々なステークホルダーと連携し、地域課題の解決や産業の発展に貢献することを目的としています。
「ものづくり」を通じた研究成果の実用化と人材育成
大学の研究成果を社会に還元するためには、論文発表にとどまらず、そのアイデアや技術が実際に社会で役立つものであることを検証する必要があります。本機構では、これを「実証研究」と呼び、試作品を実際に作り、現実と同じ条件で検証しながら、「ものづくり」を進めています。さらに、「ものづくり」を通して、将来を担う「産業人材」の育成にも力を入れています。学生や研究者が、実際に手を動かし、試行錯誤を繰り返すことで、課題解決能力や創造性を養い、社会で活躍できる人材へと成長することを支援します。
3つの技術領域と融合研究プロジェクト
高齢化地域の課題として、医療や介護現場での人材不足が挙げられています。当機構では、現場の課題解決につなげるため、医療や介護における「診る」・「視る」・「看る」の3つのステージを技術開発のテーマに掲げ、それぞれの分野における注力すべき技術領域を設定しました。学内の有望な研究シーズを調査・分析し、異分野の研究者同士をマッチングすることで、新たな「融合研究プロジェクト」を立ち上げ、現在進行中です。
産業界、自治体との連携
本機構は、社会課題の解決に貢献する「ハブ拠点」となることを目指し、産業界や自治体との連携を積極的に進めていきます。民間企業の持つ「ものづくりの現場」や「現物」、「現実」といった実践的な知見を取り入れ、大学が不足しているこれらの要素を補うことで、より効果的な「ものづくり」と「実証研究」を実現します。また、国が進めている「スタートアップ・エコシステム共創プログラム」を活用することで、大学発ベンチャーの設立や事業化を支援し、地域経済の活性化にも貢献していきます。「ものづくり」を通して、未来を拓くような成果を生み出していきたいと考えています。
共にものづくり、ひとづくりへ、ご支援ならびにご参画をお願い申し上げます。
ものづくり未来共創機構
機構執行責任者
馬場 良泰
ものづくり未来共創機構とはABOUT
徳島大学では、国の科学技術基本計画に掲げられている「人材、知、資金」を好循環させイノベーションを生み出すシステムの構築を目指し、全学の実証研究と社会実装を支援する「産業院」を再編し、特に融合領域(医工融合)に焦点を当て、「ものづくり」を通じた実証研究ならびに人材育成を様々なステークホルダーと連携・協働し進めることで、社会実装をより確かなものにし、社会・地域の課題解決に主導的な役割を果たすことを目的に、「ものづくり未来共創機構」を設立しました。
本学が目指す「ものづくり」とは、大学の研究シーズと産業界のニーズとのギャップを埋めるものです。論文作成に留まらず、「現場」「現物」「現実」を重視した「ものづくり」を通して、実証研究と人材育成を推進してまいります。
部門紹介DEPARTMENT
企画部門
機構全体の成果指標・プロセス指標を設定し、達成に向けた開発プロセスの推進強化・仕組みづくりを行っています。
研究テーマの大型化に向け、各研究領域のプロジェクト間でシナジー効果を生むよう、外部アドバイザーを招聘したマイルストーン会議を開催したり、NEDO・JST等の研究開発法人に向けたRFIの対応を行います。また、先進的な計測機器の導入や運用管理を行うことで、研究開発の底上げにも貢献しています。
インキュベーション部門
医工連携研究を中心に、医療プロセスのみる:「診る」・「看る」・「視る」を技術革新し、産業の発展に資する学内研究シーズを発掘。社会課題解決に向けた研究シーズの実証検証をプロジェクトチーム制で推進できるよう、開発経費支援から産学連携における伴走支援までを行います。
起業支援・産業人材
育成部門
研究シーズ等を活用して産業創出に貢献する人材の育成に向け、教員・学生に対して起業知識の向上・起業啓蒙を行っています。
起業にあたって活用できる学内の各種制度や手続きの紹介、事業計画立案や開業手続き等の起業支援を行うとともに、起業に関する関連団体・組織・枠組みとの連携強化を行います。